●「続・知らざる日豪関係」(197)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「4、日本軍将校らはオーストラリア軍軍法会議に関し正確に考察した知識を持ち、宣告され得る刑罰に対し何ら恐れてはいないことを示す証拠文書がある。すなわち、生命に危険のないまま、死刑要求により何らかのもの(つまり軍人としての名誉)を獲得し得る(と予想していた)のである。』(( )内は筆者)
 はじめにこの情報部の評価を読んだとき、私は暴動計画は、南または南を中心とした強硬派によって立てられ、それがDコンパウンドの日本軍将校に伝えられたのだと思っていた。
 軍としての命令系統でいえば順序が逆だが、集団の強さを考えれば、将校はあまりにも人数が少ない。
 したがって兵、下士官のBコンパウンドが中心になる方が都合が良い。」