●「続・知らざる日豪関係」(199)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「ところが急に移動通達を受けて、『時機到来』と判断した南は暴動を決定したが、Dコンパウンドの将校らに、『暴動が開始されるまでの間に連絡を取り合う機会はなかった』ために暴発してしまったのかもしれない。
 公文書『事件経過報告書』では、南の属する集団の一部は将校キャンプになだれ込んでいるし、南自身も将校キャンプ付近で死んでいる。
 これはやはり『指揮系統』を求めていたのではないだろうか。
 そして事件後の吉田の供述書の最後にあった、『・・・・・・新たな方向へ進む(未決定)』というこの未決定の部分とは、将校たちの計画に委ねられた部分だったのかもしれない。」