●「続・知らざる日豪関係」(200)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「しかしこう考えてみたものの、どうも腑におちない点がいくつかある。
 暴動で南が突撃ラッパを吹いたのは、午前二時である。
 吹いた場所はどこか定かでないが、森木氏はこの合図をハットの出口で待ったというし、そのほかの生還者たちもそうだ。
 おそらく捕虜たちは、全員それぞれのハット出口で待機していただろうし、南も自分のハットかまたはキャンプ・オフィスで待機していたに違いない。
 下手に外に出れば、歩哨に発見されてしまい、計画実行に支障をきたしてしまう。」