●「続・知らざる日豪関係」(203)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「となると、本当は将校たちは、はじめから計画など知らなかったことになる。
 さらに突きつめて考えてみると、Bコンパウンドと将校キャンプとの間で、手旗信号や暗号などで連絡を取り合うことなどできなかったのではないか。
 そこで私は、カウラ収容所の復元図を作って、もう少し詳しく調べてみることにした。
 さっそくカウラの町へ行き、町にいくつかあるフライト・サービスの一つに電話して、セスナ機をチャーターした。
 復元図を作るにも現場の様子を把握するにも、『上から見る』のは非常に効果がある。
 とくにこの収容所のような巨大な平面では、水平レベルで見てもわからないものも、上から見るとわかってくるものだ。」