●「続・知らざる日豪関係」(213)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「また、普段から相互の連絡がとれたかどうかを調べるために、私はBコンパウンドと将校キャンプの、最も近いところを巻尺で計ってみた。
 Bコンパウンドではブロードウェイとノー・マンズ・ランドの交叉するところ、つまりコンパウンド入口で、将校キャンプでは、ブロードウェイに沿った南半分の中央よりやや南側の地点である。
 この間は意外と長く、約一七二メートルもあった。
 もしBコンパウンドと将校キャンプ間で、手旗信号や暗号などによる連絡があったとすれば、これがその連絡時の最短距離である。
 しかしちょっと考えてみれば子供でもわかることだが、こんなところで、手旗など使えるはずがない。」