●「続・知らざる日豪関係」(224)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「私はかれのことが好きでした。
 礼儀正しくて頭が良く、実に好感の持てる男でした。
 南も私に好感を持っていたはずです。
 われわれはいい友人だった。親友だったんですよ』
 一般のオーストラリア人はもちろん、日本軍政を研究するシドニー大学の教授さえもが、『ミナーミ』と『ナ』にアクセントを置いて発音するのに比べ、ネグレヴィッチ氏は英語の会話の中でも、われわれ日本人とまったく変らぬアクセントで、『ミナミ』の名前を口にしていた。
 それは、かれら二人の親交の深さを感じさせた。」