●「続・知らざる日豪関係」(241)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「冷静で非常に頭の良い人でした。
 オーストラリア人を殺すのもいやだ、殺されるのもいやだ、そう思っていたんでしょうね。
 スポーツ万能な人で、とくにかれの野球の腕は素晴らしいものでしたよ。
  中学時代の甲子園出場経験者とかで、キャンプ中の人気者でした。
 金沢さんや小島さんが暴動を計画したなんて、そんなことはあり得ませんよ。
 暴動の中心人物ですが、やっぱり南さんだったんじゃないでしょうか。
 当時私はすでに事務所員を降りていたので、あの日の班長会議で誰が出撃計画をつくったのかわかりませんが、かれはつねに中心にいて隠然たる力を持っていましたからねえ。
 南さんはもちろん強硬派でしたよ。」