●「続・知らざる日豪関係」(244)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「『南さんは陸軍出身の私たちとは考え方もまったく違い、対立することもありました。
 いつでしたか、かれがキャンプ・リーダー、陸軍の私が事務所員としてワーク・マスター(労役作業調整係)、スポーツ・マスターを担当し、キャンプ・オフィスに入っていたころ、班長会議のあとにちょっとぶつかったことがありました』
 森木氏が話してくれた南との衝突とは、次のようなものだった。
 ある日、キャンプ・オフィスでの班長会議が終わったあと、南が聞えよがしにいった。
『陸軍のやつらは、どうもハングリー・ボーイが多いなあ。だらしないやつらだ。
 帝国軍人の恥さらしだ、あいつらは』」