〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「心の中で暴動に反対しながらも、ついには賛成してしまったこと、自分と同じく暴動に反対で、帝国軍人としての意識との間に板挟みとなり悩む捕虜仲間に、『軍人として立派に死ぬべきだ』と虚勢を張って言い切り、結果的にかれは死に自分が行き残ってしまったことへの自責の念。
暴動決行直前に仲間たちと交した最後の挨拶・・・・・・。
『お世話になりました。しっかりやりましょう。
では靖国神社でまた会いしましょう』
そういう森木氏は、私を当時の捕虜仲間に見立てているようですらあった。」