●「続・知られざる日豪関係」(277)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「作戦の目的は、英、米、蘭、豪の海上兵力と、米軍の増援航空兵力がダーウィンを基地として東インド洋に進出する公算があるので、先手を取ってここを攻撃し、またすでに集結している敵艦隊輸送船団を撃滅する、というものである。
 この作戦構想は、南方部隊指揮官近藤中将らによって企てられたものであるが、作戦に出動したのは、なんとあの真珠湾攻撃を行った連合艦隊の主力部隊、南雲機動部隊だった。
 そして参加した航空母艦は、もちろん南雲機動部隊の主力艦である、『赤城』、『加賀』、『蒼龍』、『飛龍』の四隻、それに加えて重巡洋艦が四隻、駆逐艦が十一隻である。
 そのうえ四隻の航空母艦から出た攻撃隊は、零式艦上戦闘機が三十六機、九七式艦上攻撃機が八十一機、九九式艦上爆撃機が七十一機、合計百八十八機である。」