●「続・知られざる日豪関係」(284)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「前述の、『蒼龍』艦攻隊としてダーウィン空襲に参加した大多和達也氏は、著書『予科練一代』の中で、そのときの状況をこう書いている。

東海岸シドニー軍港には、米、英、豪の連合艦隊所在の期待も持たれるが、ポート・ダーウィンはその点少しばかりカッたるい。
 したがって携行する爆弾も八百キロの陸用爆弾ということになった。
 軍港の施設攻撃ということである。
 が、結果は、案にたがわず期待はずれであった。
 申し訳程度の防禦砲火の応戦が見られただけで軍港は沈黙し、軍事施設は壊滅し、飛行場は零戦の銃撃でなめ尽されてしまった。
 なんと味気ない攻撃だろうか。』」