●「続・知られざる日豪関係」(286)
〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「以上が『飛龍』の『飛行機隊戦闘行動調書』に出ている豊島の、『被弾、自爆戦死』に至るまでの経過である。
防衛庁研修所(注:当時)の資料で調べることができたのはここまでだが、これでは『一搭乗員』としての動きはわかっても、それ以上のことはまったくつかめない。
もし、豊島一海軍一等飛行兵が南忠男であるならば、『被弾』はともかく、『自爆』も『戦死』もしていないのだ。
まずはじめに、私は靖国神社を通じて、『飛行機隊』、『飛龍』関係と思われる戦友会を調べ出してもらうことにした。
本来ならば、戦死者関係のことは厚生省援護局(注:当時)で調べるべきなのだが、私が知りたいのは戦死者としての豊島一ではなく、戦闘員としての豊島一である。
かれがどのようにして『戦死者』になったかを知りたいのだ。」