●「続・知られざる日豪関係」(299)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「『普通一般には、機銃にはさまざまな銃弾を使っているんです。
 たとえば炸裂弾とか洩痕弾、それに徹甲弾などですね。
 洩痕弾は射撃の弾道を確認するためのものですし、炸裂弾は目標物に当たると炸裂するものです。
 徹甲弾には破砕能力しかないですね。
 こうした各種の機銃弾を、何発ごとかに弾倉にセットしておくんです。
 ですからその豊島機の場合、被弾したのは徹甲弾だったのではないでしょうか。
 徹甲弾ならば、被弾しながらも発火しなかったということも、考えられないこともないですね。
 ただ・・・・・・、エンジンが前部下方から貫通されている、というのはおかしいですね。
 普通戦闘機は空中戦闘に入ると、敵機の後部上方にまわり込んで射撃するものなんですが』」