●「続・知られざる日豪関係」(303)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


ダーウィン零戦研究家ジョン・ハスレット氏は、エンジンの被弾は高射砲の炸裂によるものだといっていたが、高射砲ではなかったと思われる。
 この空襲のとき、ダーウィンに設置されていたのは五門の高射砲と一丁の機関銃だが、このうち機関銃は口径0・303インチ、つまり七・七ミリである。
 ハスレット氏のいう『入弾口は直径二分の一インチ』とは遠く及ばない。
 二分の一インチというのはかなり曖昧な言い方だが、普通一般にオーストラリアでは、一二ミリから一五ミリ程度をさしていう。
 だからこの機関銃は、関係ないとみてよいだろう。」