●「続・知られざる日豪関係」(304)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「また五門の高射砲は、全門とも照準を『10/15、000 and various(一万フィートから一万五千フィート、及びその前後)』に定めていたとオーストラリア公文書にあった。
 つまり高度三千メートルから四千五百メートル前後である。
 しかし飛龍尽忠録に収められている『戦闘ノ情況』では、豊島機は『東飛行場上空ニ突入離陸中ノP - 40 型戦闘機一機ヲ発見撃墜』の、その銃撃中に被弾したとなっている。
 飛行場の滑走路から離陸しようとする敵機を目撃し、それを撃墜する場合、高度は相当に低くとらなければならないだろう。
 さもないと射撃の正確さを期するどころか、射程距離さえもおぼつかない。」