●「続・知られざる日豪関係」(305)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「たとえば零戦の場合、胴体を軸に左右対称に装備された各機銃は、前方約三〇〇メートルですべて一点に集まるように、銃身の角度が調整されている。
 だからこの距離より離れると、銃弾は外側へそれてゆくのだ。
 こうしたことから、地上の敵機を銃撃した高度は、少なくとも高度五〇〇メートル以下、いや三〇〇メートル以下だったに違いない。
 したがって高度三千メートルから四千五百メートル前後で炸裂する高射砲弾の破片で、エンジン部を『前部下方』からやられることなど、およそ考えられないことである。
 やはりエンジン部の被弾は、P - 40戦闘機によるものだろう。」