●「続・知られざる日豪関係」(308)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


終戦後は日本航空発足と同時に、国際線のパイロットとして、また教官として、長年『空』の任務を勤めあげてきた、大ベテランである。
「藤田氏は、私の掲げた質問に、しばらく考えてから話しはじめた。
『その零戦が意図的な不時着をしていたかどうかということですか・・・・・・。
 もちろん機体を見てみないことにはなんともいえませんが。
 たとえば脚は出してありましたか。地面が固い場合には脚を出しますね。
 ただしブッシュ地帯のようなところでは出しません。
 そのメルヴィル島のブッシュの場合ですが、まあ私だったら脚を出さなかったでしょう。」