●「続・知られざる日豪関係」(310)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「たとえばフラップにしても、小さなレバーひとつで操作でき、もちろんすべて油圧モーターで作動しているのがセスナである。
 安全に手軽に飛行できることを目的とした小型機と、飛ぶことは当然の条件でそれに加えて高速旋回、高高度飛行、さらに重い機関銃の搭載など、あらゆる能力を要求された戦闘機とでは、共通点は『飛行機』ということだけである。
 写真で見た零戦の操縦席、ダーウィンの南機の内部、そしてセスナの操縦桿を握るときの緊張感を思い出しながら、私は藤田氏の話に聞きいった。
『不時着時にはもちろん増槽タンクも、あらかじめ落としておくほうがいいんですが、あれがなかなか落ちないんですね。」