〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「たしか高度三千メートルくらいです。
高度三千メートルからなら、二〇キロメートル、高度の約六倍は滑空できますね』
不時着に関するかなり具体的なヒントを得て、私は豊島機の不時着を知る大きなステップを踏んだ喜びを感じながら、藤田邸を辞した。
そして家へ帰ると机の上に、ダーウィンの格納庫で集めた南機のパーツ、データ、写真を並べ、藤田氏のあげた不時着のポイントを反芻してみた。
まず脚はどうだろうか。
藤田氏はブッシュ地帯ならば、脚は出さぬほうがいいといっていた。」