●「続・知られざる日豪関係」(313)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「しかし残念ながらダーウィン零戦は、すでにはるか以前に引込式車輪も、引込脚覆いも取りはずされていたらしいし、また覆いのヒンジがあった部分も損傷が激しく、脚が出ていたのかどうか、判断が難しい。
 だが、かりにこの零戦が脚を出していたとすれば、脚がブッシュにひっかかったりして、前のめリに反転していただろう。
 また反転まではしなかったとすれば、機首を強く叩きつけられて、損傷が激しいはずである。
 しかしオーストラリア公文書にある、機体調査にあたった情報将校A・J・某の報告でも、機体回収調査をしたベンダー空軍准尉の報告でも、機体は反転してはいなかったようだ。
 それに機首を叩きつけていないのは、ダーウィンの機体のエンジン部が、かなりきれいに取りはずされているのを見ればわかる。」