●「続・知られざる日豪関係」(314)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「それに両翼の骨材もあまり歪んでいない。
 ということは、藤田氏がいうように、脚は出ておらず、ブッシュ地帯での不時着には望ましい状態だったのではないだろうか。
 フラップはどうか。零戦にはスプリット式のフラップが、主翼後縁部胴体寄りの下面についているが、南機にはこの部分はほとんど残っていない。
 したがってこれに関しては、まったく不明である。
 次は増槽タンクである。南機の不時着地点または空軍情報部による機体発見地点は、メルヴィル島のタカプリミル・クリーク付近である。
 この地点から島の南側、つまりダーウィン方向にある海岸線までは、一〇キロ程度しかない。
 増槽タンクは不時着地点から数百メートルのところで発見されたといわれているが、正確な数字は定かではない。」