●「続・知られざる日豪関係」(315)
〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「だがはっきりしているのは、一キロメートルも離れていないブッシュの中であり、海上では落とされてはいないということだ。
さらに、その地点から回収され、現在航空史研究会の格納庫に保管されている増槽タンクは、かなり完全な状態に近いものである。
燃料のインレット・パイプも、タンクを機体下部に吊るサポートも、まったく損傷がない。
機体との接合面である、流線型のフランジ部のボルト穴に、辛うじて、引っ張ったような歪みが見られる程度である。
これは増槽タンクがかなり容易にはずれたことを示しているのではないだろうか。
これらの状況をまとめて、私なりに推測してみると、まず南機はメルヴィル島へ南側から入ってきた。」