●「続・知られざる日豪関係」(319)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「一九八二年六月五日、東京・九段の靖国神社は、参拝に集まる遺族会、戦友会で、あちこちに人だかりができるにぎわいを見せていた。
 全国各地から元飛龍乗組員や関係部隊の生存者が靖国神社に集まり、『軍艦飛龍沈没四十周年記念式典』を行い、戦死した戦友を悼み、当時を偲ぶと同時に旧交を暖め合っていた。
 式典が終了し、懇親会の席へと移ったとき、その席上で飛龍会代表萬代久男氏は、
『豊島一君について、なにか御存知の方はいないでしょうか』
 と全員に問いかけた。
『誰か豊島君いついて・・・・・・』
 の返事は、意外なところからあった。」