●「続・知られざる日豪関係」(321)
〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「かれがやられたのは高射砲のためです。いいえ、空中戦なんかじゃありませんよ。
あの日は一機の敵機も上がっては来ませんでした。
だから私などは、攻撃隊が突撃隊形をつくってから、機銃を構えてはいたものの、ああ、今日はなんにも敵機がいないなあ、と手持ち無沙汰だったほどです。
高射砲の地上砲火はかなりありました。結構激しかったですね。
普通は地上防禦砲火というのは、われわれ飛行機隊が通過する頃に遅れて後の方で炸裂するケースが多いんですが、あの日は前の方で炸裂していました。
かなり正確に狙っていたんではないでしょうかねえ』
豊島機の被弾は、地上銃撃中にP - 40との空中戦でやられたものではなかったようだ。」