●「続・知られざる日豪関係」(323)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


ダーウィン空襲で戦闘機隊の行った地上銃撃とは、この艦攻隊援護のために、高射砲陣地や離陸しようとする敵機を狙ったものである。
 しかし豊島機はこの地上銃撃に入る前、つまり攻撃開始直後だが、まだ艦攻隊の上で高度五千メートルあたりのところにいるとき被弾したようだ。
『ええ、豊島君は千メートルほど上の方でやられたらしく、私の搭乗機の後上方からすうっと降りてきました。
 そうですねえ、私が中隊長機におったんですが、中隊長機と二番機の間に入るように降りてきたので、二機長くらいしか離れていなかったはずです』」