●「続・知られざる日豪関係」(324)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「一般に飛行機隊の小隊というのは、小隊長機、二番機、三番機からなり、『突撃隊形ツクレ』を指示する『ト・ツ・レ』連送発信と同時に、小隊長機を先頭にそれぞれが頂点をなす正三角形をつくる。
 各機は若干の高差を置きながら、三角形の一辺を、二、三番機長に保って飛ぶ。
 一機長というのは機体の主翼全幅をいうので、機種によって多少の差はあるが、約一二〜一三メートル(零戦一一型の場合は一二メートル)。
 したがって各機搭乗員とも、互いの表情が充分読みとれるほどに近接している。
 そうしたいくつかの小隊が、さらに同じような間隔で大きな正三角形をなし、その最先頭を飛ぶのが、小隊長兼任の中隊長機である。」