●「続・知られざる日豪関係」(330)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「これらを総合してみると、ジョン・ハスレット氏のいう、『南機は高射砲弾の破片により、エンジンのカウリング前部下方から、操縦席に近い後部上方にかけて貫通されていた』という話にも説明がつくのではないだろうか。
 したがって、豊島機は北北西から本土上空に入り、機首を東飛行場に向けたあと、パーリマーの高射砲から発射された砲弾が前部下方で炸裂し、その破片でやられた、とみてほぼ間違いないだろう。
 被弾の高さ、位置ともほぼ納得できたが、しかし距離がまだ問題である。
 メルヴィル島の南機発見地点、タカプリミル・クリークは、パ−リマーのほぼ真北で、やはり直線水平距離にして八〇キロはある。」