●「続・知られざる日豪関係」(333)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「このとき搭乗員会事務局で紹介され、私の疑問にアドヴァイスを与えてくれたのは、航空振興財団で訓練課長を勤める大原亮治氏だった。
 もちろんかれも元零戦パイロットで、大戦中の所属は横須賀航空隊である。
 早速大原氏に、私がそれまで調べてきた内容を説明すると、かれは簡単に私の間違いを指摘して、次のように説明してくれた。
 『【発動機故障】というのは、エンジン停止をいうものじゃありませんよ。 
 まだわずかながらでもエンジンが回っている状態を示すものです。
 それに二分の一インチ程度の弾片などで、零戦のエンジンを貫通できるものですか、まず無理ですよ。」