●「続・知られざる日豪関係」(345)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「ならば飛行機隊の搭乗員たちは不時着などの緊急事態に際し、潜水艦または水偵機によリ救助されることを期待していたのだろうか。
 そして『生還を期して戦果は期待できず』というのは、単にわれわれが伝え聞く”伝説”でしかなかったのだろうか。
『自爆はするな』という言葉を、かれら搭乗員たちはいったいどのような気持ちでうけとめていたのか、私はそれらが気になって、ふたたび実戦経験者たちに尋ねてまわった。
 零戦搭乗員会会長、元『蒼龍』零式艦戦隊分隊長の藤田怡与蔵氏は、この『赤城』甲板上での訓示について、次のように答えた。」