●「続・知られざる日豪関係」(358)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「連合軍が枢軸国を評した言葉に、『ドイツ人は銃を持って生まれてくる。
 イタリア人はマンドリンを持って生まれてくる。
 しかし日本人は何を持って生まれてくるかまったくわからない』というのがあるが、兵、下士官、士官とも同じコンパウンドに収容されていたイタリア兵にた対し、やはり日本人に関してだけは分離しておいたほうが安全だ、という考えがあったからだろう。
 そして一九四三年三月十五日に、南西太平洋地域連合国地上軍から発せられた、日本兵捕虜の起こしたある事件に関する文書は、まさにそうしたかれらの懸念を、はっきりと裏付けたかのようなものだった。」