●「続・知られざる日豪関係」(360)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「捕虜集団は、朝鮮人と日本人の二つのコンパウンドにわけられており、所内生活で前者はまったく問題はなかったが、後者すなわち日本人捕虜は、入所当初から作業拒否やサボタージュを繰り返すなど、相当に反抗的で、つねに収容所司令部との衝突が絶えなかった。
 また、日本人捕虜内部にはかなり早い時期から不穏の気配があり、労働作業参加を利用して護送兵を制圧、監視兵の昼食時を襲撃し武器を強奪する計画や、ハットに放火し監視兵が消火作業をする間に襲撃する計画など、収容所当局はいくつかの暴動計画をつかんでいた。」