●「続・知られざる日豪関係」(364)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「だが、これが捕虜たちを刺激したらしく、アダチは胸を叩いて、ここを撃てというように怒鳴り散らした。
 そして副官が頭上へ威嚇射撃をしたことから事態は一気にエスカレートし、約二百四十名の捕虜たちがいっせいに監視兵に向って投石をはじめ、ついに怒濤となって押し寄せてきた。
 監視兵は暴徒の群が七ヤードまで近づいたとき発砲を開始、十五秒から二十秒間一斉射撃が続き、暴動はあっけなく鎮圧された。
 この事件で死亡した日本人捕虜は四十八名、負傷は六十八名だった。」