●「続・知られざる日豪関係」(375)
〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「そして南自身、あるいは他の者によるその口コミの過程で、物陰にいたマツモトに運悪く立ち聞きされてしまい、これが計画発覚の端緒になってしまった。
マツモトの密告により、計画は暴露された。
しかし南たちは、この事実にはまったく気づいてはいない。
マツモトは収容所司令部によって取り調べを受けたあと、Bコンパウンドへはもどされず、すでに台湾人、朝鮮人捕虜の区画となっていたD1コンパウンドへ入れられたからである。
この時点で計画がどの程度まですすんでいたかは、情報部のまとめた密告情報報告書にあるとおりだが、残念ながら具体的な決起予定期日は記されていない。」