●「続・知られざる日豪関係」(392)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「その日、功代さんの夫、豊島昌三氏は、仕事を休んで私が行くのを待っていてくれた。
『そうですか、あなたからの問い合わせだったんですか。
 実は、役場のほうからも、叔父のことを調べている人がいる、という電話も受けていたんです。
 あれから家族や親戚の間でいろいろと話し合っていたんですが、急にいまになってこんな問い合わせが来るなんてどうしたことなんだろう、ひょっとして叔父は生きていて、それで調べているのだろうかとも思い、嬉しいような、何か薄気味悪いような・・・・・。
 それでとにかく御連絡だけでもしようとしていたところでした。
 しかし・・・・・、そうでしたか、やっぱり叔父は死んでいたんですか』」