●「続・知られざる日豪関係」(473)
「わたしと映画・南十字星」(23)
「斬首」への疑問は、その後もわたしの心に残り続けた。
そこで、この道に詳しい何人かの知人に、わたしの疑問をぶつけてみた。
何年か経って、「これがネタ本ではないか」と、友人の一人からコピーを手渡される。
それは、ある雑誌の一文で、わたし自身も納得できる内容だった。
原文を、紹介させていただく。
──この眼で見たもの──
虎工作隊ここに眠る
昭南島に散った英国武士道の華
古 田 博 之(ふるた・ひろゆき)
處刑の日
昭和二十年の五月と言えば、終戦からわずか三カ月前だが、勿論ブキテマの處刑場に集った参謀部二課と、法務部関係の将兵にはそんなことは解らない。
刑場に目かくしをされ整列させられた十人の英濠将兵は身じろぎをする者もない。