●「続・知られざる日豪関係」(476)

「わたしと映画・南十字星」(26)


「オーストラリアの特攻隊」


 何か大事件らしいということは、食事中の第七方面軍司令部の将校、高等文官全員に、すぐピンと感ぜられた。
 何故と言えば、参謀部二課長の吉田大佐と、その高級参謀桑原中佐の二人が、食事なかばで中座していったからである、禮式のやかましい軍隊では、重大事件ではないかぎり、軍司令官より先きに食堂を退出することはない。
 参謀部二課は軍の情報を擔當する。
 高等文官の一人として二課勤務を命ぜられている私も、食事がおわるのを待ちかねて勤務室へもどって行った、そこで興えられた情報は次ぎの通りであった。