●「続・知られざる日豪関係」(483)
「わたしと映画・南十字星」(33)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
草の根を分けても
参謀部二課の通譯班に属する私が、昭南防衛隊に、業務援助のため派遣されることになった。
任務はおびただしい遺留品についている英語の飜譯である。
討伐は改めて大隊編成とし、腰田少佐を長として、シンガポール近海三千と云われる諸島を、虱つぶしに捜索することになった。
遺留品を検査して、敵が相當な諜報任務を持っていることは明らかになった。
リオウ群島にある海軍根據地を偵察したらしく、日本海軍の艦船を克明にスケッチしている。
軍艦の種類、備砲等を正確につかんだ描き方は、相當の訓練を積んだものでなければ、絶對にできない巧妙なものであることは、海軍側から應援に来た情報将校の言葉だった。