●「続・知られざる日豪関係」(486)
「わたしと映画・南十字星」(36)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
遂に逮捕
腰田少佐の討伐隊が、マポール島附近の島を隈なく捜索し、射殺五名逮捕十一名の成績をあげてシンガポールへ還って来たのは、昭和十九年もまさに暮れようとする十二月二十四日の朝だった。
街が住民のクリスマスの飾りでなごやいでいる中を、私は命令によってケッペル波止場に近い水上憲兵隊に驅けつけた。
急いで俘虜を訊問し、眞相を明らかにするためである。
水上憲兵隊は地域的に、これら潜入者に管轄権を持ち、彼等の行動に對しては昭南防衛司令部が管轄権を持っている。
私は方面軍司令部から援助として派遣され、通譯業務をしながら、眞相をなるべく早く参謀部に知らせる任務を帯びていた。