●「続・知られざる日豪関係」(489)
「わたしと映画・南十字星」(39)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
水元大尉がすぐにこれに賛成した。
「それが良い、まずあの連中、臭くてたまらないから、風呂に入れようじゃないか」
「剃刀を與えて鬚をそらせてやろうよ」
「いや、剃刀は危ない、兵隊に地方で床屋をしていたのがあるから、それに剃らせよう」
そこで水元大尉が一同を集め挨拶をした。
「諸君、諸君は不幸にして我々の俘虜となった。
我々は軍人として諸君に對し、調査しなければならない色々の任務を持っているが、クリスマス前夜祭のこの良き日に、調査を行いたくない。
我々はキリスト教徒ではないが、キリスト教を信奉する諸君のために、今日一日はゆっくり靜養する機會を與える」
私は喜んでこれを通譯した。