●「続・知られざる日豪関係」(497)

「わたしと映画・南十字星」(47)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


 一度、海軍哨戒機が頭上に低く舞いおりてきたことがあって一同ハッとした。
 ページ大尉が裸身のまま船首の日章旗を握って左右に振ったところ、機は翼を左右に振ってこれに答え、飛び去ったので胸をなで下した。
 輸送船攻撃用としては、リムペットと呼ぶ特殊爆薬を用意してあった。
 リムペットとは英語の笠貝の一種で、この爆薬は磁力を利用して艦壁に吸いつくように出来ているから、こういう秘匿名をつけたのだという。
 時限装置をしたリムペット三個を輸送船の舷側に吸いつかせる。
 各リムペットの間は線で結んで誘導するように仕掛けてある。