●「続・知られざる日豪関係」(498)
「わたしと映画・南十字星」(48)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
一行は港の入り口に夕方到着し、夜を待つて各自ゴムボートに二人ずつ分乗して目的物に近づき、爆破装置をすることになつていた。
夜を待つ場所もすでに決めてあり、それはまつたく日本側から見ても警戒のとどかない盲點になつていた。
しかし思いがけない支障が起きた。
無風状態のおこる時刻の測點を誤つたことと、無風状態がいつもより長くつづいたことである。
日本側から見れば風がなかつたことが幸いした。
これも一種の神風であろうか。