●「続・知られざる日豪関係」(514)

「わたしと映画・南十字星」(64)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


「その時家族に別れを告げたのか」
「ノウ、ただ少し遠くへ行くと言つただけだが、妻はSRDの任務を知っているから、萬事を察したと思う」
「子供にも會つたのか」
「子供は2人とも寝ていたから起さなかつた。
 枕元で寝顔を見ながら妻と話をした」
 私はその場の情景を考えて美しいものと思い、壯途にのぼるために、何氣なく子供に別れを告げる心情に東洋的なヒロイズムを見た。