●「続・知られざる日豪関係」(522)

「わたしと映画・南十字星」(72)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


 軍における文官の發言権は極めて低い。
 私たちは待遇においては大尉又は中尉と同等であるが、その他の點では「鳩の次ぎ」と云つていた。
 將官、佐官、尉官、下士官、兵卒、軍馬、軍用鳩、文官の順序という自嘲である。
 しかし私は私なりに延命策を考えた。
 それは軍用英語辭典の編纂である。
 ページ大尉を相手に、なるべくゆつくりこの仕事に取り組んだ。
 その間に、退つぴきならない大事件が發生した。