●「続・知られざる日豪関係」(524)

「わたしと映画・南十字星」(74)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


 私は司令部へ歸つて、法務部の記録を調べた。
 爆破の時刻、艦船の位置、すべてページ大尉の申し立てた通りである。
 しかし記録には、
シンガポール降伏の際、英陸軍大尉の謀略により、土人の間に残置諜者を作り、爆薬をゴム林の中にかくしておいたが、これらの土人は、機熟せりと見て、ひそかにこれを搬出し、月明に乗じて港内に忍び入り、五隻を爆破してその目的を達した」
 と書いてあり、犯行を自白した土人の口供書もある。
 狐につままれたようである。