「わたしと映画・南十字星」(76)
「オーストラリアの特攻隊」の続き
「私は死を覺悟している。
自分のために無實の人が死んで行くことは、私のキリスト教的倫理観が許さない」
「君はよくても、他の人はどうか」
「ダヴィドソン少佐は覺悟している。
他の連中は今囘のことも前囘のことも、法律にふれていることを知らないから罪になるとは思つていない。
だから告白しようという私の意見に賛成している」
私はついに神谷少佐に打ち明けた。
神谷少佐のおどろきは私より大きかつた。
神谷少佐の前任者が現地人を裁き、死刑の宣告を下しているからである。