●「続・知られざる日豪関係」(537)

「わたしと映画・南十字星」(87)


「オーストラリアの特攻隊」の続き


 シンガポールの新聞は私の名前をあげて稱めてくれたが、これは私個人の問題でなく、今囘の戦闘で残虐をうたわれた日本軍にも、りつぱな行動もまた多くあったという例證の一つになると思うから書き添える。
 最後に、私は昭和二十五年秋、モナコで開かれた赤十字國際會議に日本代表の一人として出席した時、濠洲の代表が、たまたまこのことに言及し、日本軍は立派だつたと述べたのを聞いて、非常に嬉しく感じたことを加えておく。


(注)「映画・南十字星」に抱いた「斬首」に対するのわたしの疑問は、古田さんの書かれたこの一文、
【──この眼で見たもの──
 虎工作隊ここに眠る
   昭南島に散った英国武士道の華
                   古 田 博 之(ふるた・ひろゆき)】で、解消した。


 貴重な記録を残された古田さんと、これを見つけ出してくれた友人に心から感謝したい。
                                (この項、終わり)。