●「続・知られざる日豪関係」(549)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


「訳者あとがき」の続き


 米軍がガダルカナルに上陸してきた時点でも、すでに周辺の要点十箇所に見張所を設定している。
 エスペランス岬、タイボ岬、ハンター岬、マラバ島(以上はガ島)、アストロラベ岬(マライタ島西端)、ゼレー岬(同東端)、ホーン岬イースト岬(以上フロリダ島)、バニカ島(ルッセル諸島)などで、各十二人の見張員と軽便電信機を置いた。
 このうち、ハンター岬の見張所は、八月七日朝沖合を行動する米空母を視認、ルンガの本部に連絡したが、すでに無電は通じなかった。
 軽便無線機のため、この報告がラバウルまで届かず、撃滅の機を逸したのは、日本軍にとって不運の至りだったが、十一日から十二日にかけてロ ー 34潜で各見張所との連絡に成功している。