●「続・知られざる日豪関係」(557)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”ステーキと卵”の続き
一例としてニューヨーク・タイムズ紙が日本軍のマレー作戦について書いた記事をあげてみよう。
彼らはゴム底の運動靴をはき、ココナツの木によじのぼって、葉の重なった頂上のあたりから狙撃する。
そして猿のようにジャングルの木々の枝からぶら下がる。
彼らは沼地を渡り歩き泥まみれになるのをいとわず、現住民の服装をまとい、裸同然の姿で英軍の守備陣地に潜りこんだ。
その結果は日本兵の行手にいる人々の恐怖心を倍加しただけだった。
パニックを起こした白人、現住民たちは町を捨て、農園を焼き、トラック、荷馬車、自動車などで逃げ出した。