●「続・知られざる日豪関係」(563)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


   わたしはここが真に生きかつ学びうる場所であり、
  すべてが風変わりな場所であること、そして人が実
  力、勇気、進取の気性、知性によってのみ成功する
  未開だが自由な場所であることを確信した。


 だが彼らが育ててきた夢は一挙に破られようとしていた。
 日本軍の侵入を防衛する見こみはほとんどなかった。
 イギリス政庁がかき集めた旧式の火器は物の役に立ちそうもない。
 全群島を通じ小規模な兵力が二隊しかいなかった
 すなわち北方では、ブカ島にある未完成の飛行場にわずか二四人のオーストラリア軍守備兵が,ツラギ港にはやはり小人数のオーストラリア軍哨戒機部隊が駐屯していた。