●「続・知られざる日豪関係」(569)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”ステーキと卵”の続き


 第一次大戦後、オーストラリア海軍によって育成されたこの業務は、戦時に際して広大な無防備の沿岸に監視網を設けるのを目的としていた。
 その地域はしだいに拡大し,ニューギニア、ビスマーク諸島、ソロモン群島、さらにオーストラリア北岸をとりまく戦略的な島々をふくんでいた。
 だが一九二〇年代の緊縮経済で軍事予算の支出が窮屈だったため、監視哨は各地域の官吏、農園主、商人、伝道者から自発的志願者を募って編成された。
 三〇年代に入って、日本の侵略の脅威が増したので、オーストラリア海軍は最初の専任海軍情報部長を任命した。